キュービクルを提供するメーカー11選|メーカーによる違いも解説

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キュービクルは電力システムの設置に必要な設備であり、さまざまなメーカーから販売されています。
メーカーごとに特徴や価格が異なるため、適切なキュービクルを選ぶことが大切です。

本記事では、日本国内の主要なキュービクルメーカー11社を紹介し、それぞれの製品の違いや特徴を詳しく解説します。
キュービクルをお求めの場合は、ぜひ参考にしてください。

キュービクルとは

キュービクルの正式名称は「キュービクル高圧受電設備」で、日常的に利用する電気を、安全かつ効率的に配分するための設備です。
具体的には、発電所や変電所から送られてくる高圧電気、通常6,600Vの電圧を、100Vまたは200Vに変換する役割を担います。
この電圧変換のプロセスが、キュービクルの主な機能であり、電力システムにおいて中心的な役割を果たしています。

キュービクルの用途

一般家庭でキュービクルを設置する必要はほとんどありません。
一般家庭は通常、低圧受電契約を行い、電柱などに設置された電力会社の変圧設備を通じて、100Vや200Vに変圧された電力を供給されるためです。

大規模な施設や工場、メガソーラーなどでは、より大量の電力を必要とするため、高圧受電契約を行い、キュービクルを設置することが一般的です。
これらの施設や工場では、キュービクルが大容量の電力を受け入れ、必要に応じて電力を高圧に変換して電力会社へ送電する役割も担っています。

設置のルール

キュービクルの設置には、電気事業法によって定められた厳格な条件があります。
その中の一つが、専門的な知識を持つ「電気主任技術者」の選任です。

大量の電気を安全に管理し続けるための重要な要件であり、適切なメンテナンスや管理を保証するために必要な措置といえます。
また、キュービクルの設置場所に関しても、周囲の建物から最低3メートル以上の間隔を保つといった規定があり、安全性を確保するために定められています。

関連記事:キュービクル設置工事の流れと押さえておきたい費用・期間の目安

キュービクルのメーカー一覧

国内でキュービクルを販売している主要メーカーは、以下の通りです。

  • 明工産業株式会社
  • 株式会社因幡電機製作所
  • 株式会社大日製作所
  • 奥村電機株式会社
  • 河村電器産業株式会社
  • 株式会社国分電機
  • 東和電機工業株式会社
  • 内外電機株式会社
  • 株式会社日新電機製作所
  • 日東工業株式会社
  • 日本電機産業株式会社

順番に紹介していきましょう。

明工産業株式会社

明工産業株式会社では、屋外キュービクルと屋内キュービクルを販売しています。

屋外キュービクルは、変電所などから供給される高電圧の電力を屋外で分配し、低電圧に変換して供給する目的で使用されます。
この屋外キュービクルは、過酷な屋外環境に耐えるため、防水、防塵、防腐性能を備えており、長年にわたり培われたノウハウを活かして製造。
これにより、屋外での安定した運用が可能となり、さまざまな気象条件や環境下において、電力供給の信頼性が高まっています。

一方、屋内キュービクルは主に建物内で使用され、変電所からの高電圧を分配し、低電圧に変換する機能を持っています。
屋内での使用を想定しているため、設置場所に制約がある場合でも、安全性と信頼性を確保するための設計が施されています。
建物内の限られたスペースで、効率的かつ安全に電力を管理するために重要な要素といえるでしょう。

屋内キュービクルの製造においても、長年の経験と技術ノウハウが活かされ、お客様の特定のニーズに応じたカスタマイズが可能となっています。

会社名:明工産業株式会社
所在地:東京都千代田区神田神保町 3-23-15 明工ビル
電話番号:03-3514-1600
創業:1961年
URL:http://www.meiko-s.com/index.html

株式会社因幡電機製作所

株式会社因幡電機製作所は、1962年に創立した老舗の電機メーカーです。
本社は大阪府大阪市にありますが、北海道、東京、奈良、群馬にも営業拠点を持ちます。

同社が手掛けるキュービクルは、高圧で受電し、低圧に変圧し分電盤や制御盤へ配電する受配電設備です。
金属製の閉鎖筐体に機器を収納し、受電および配電を安全かつ安定的に行うための、監視装置や保護装置類を備えています。
具体的には、受電電圧6,600V、受電設備容量は4,000kVA以下の範囲で対応。

首都圏や大阪、京都、兵庫などの公共施設や官公庁、さらには大阪国際空港バスターミナルのような民間企業にも製品を幅広く納入しており、豊富な実績を誇っています。

会社名:株式会社因幡電機製作所
所在地:大阪府大阪市西区立売堀3-1-1 大阪トヨペットビル7F
電話番号:06-6532-2301
創業:1962年
URL:https://www.inaba.com/

株式会社大日製作所

株式会社大日製作所は老舗企業で、電力配分と制御における幅広い事業・製品を展開しています。
高低圧の各種キュービクル、分電盤、推奨・認定キュービクル、キュービクル式受変電設備などを提供。
また、電子応用製品においても、電子応用機械器具や電子回路、各種生産システムといった製品を販売しています。

キュービクルに関しては、電力会社から送られる7.2kV(6600V)級の高電圧を、600V未満の低電圧に変圧。
安全に電源を供給する重要な設備です。
変圧された電源は、主に生産工場、商業テナント、学校、病院などの電源設備に、低電圧の幹線を用いて送電されます。
また、幹線の先には動力制御盤や電灯分電盤が設置され、電灯照明やコンセント、空調機、ポンプなどの動力設備へ、電気が供給される仕組みに。

盤の種類においては「薄型キューピクル」「PDU」「金属閉鎖型スイッチギヤ」など、多様なニーズに応える製品を提供しています。

会社名:株式会社大日製作所
所在地:石川県野々市市扇が丘1番1号
電話番号:076-248-1161
創業:1937年
URL:https://www.dainichi-ss.jp/

奥村電機株式会社

奥村電機株式会社は、大阪を拠点に幅広い電機関連事業を展開している企業です。

同社のキュービクル製造プロセスは、お客様の要求に応じたカスタマイズに特化しています。
豊富な在庫からトランス(変圧器)をはじめとする電機品を選定し、お客様の仕様に合わせてキュービクルを短納期で提供。
また、コスト削減のために再生品を使用することもあり、これによって低コストで高品質な製品を提供しています。
安全性と信頼性においても、キュービクル総合試験やトランスの単体試験を行っており、製品の品質には自信を持っています。

さらに、新品のキュービクルだけでなく中古品に関しても幅広く対応しており、販売からレンタルまでお客様のニーズに応じたサービスを用意。
取り扱うキュービクルの種類には、「イッチキュービクル」「PF-S型(設備容量300KVA以下)」「CB型」「大容量キュービクル」「坑内用キュービクル」「屋内用低圧盤」などがあります。
再生品キュービクルについては、原則1年間の保証を提供し、充実したアフターフォローを実施しています。

会社名:奥村電機株式会社
所在地:大阪府大阪市福島区海老江 1丁目4番5号
電話番号:06-6453-0551
創業:1914年
URL:https://www.okumura-denki.co.jp/index.html

河村電器産業株式会社

河村電器産業株式会社は、インフラ・プロデュース事業を中心に、幅広い電気設備の製造とサービスを提供している企業です。
キュービクルや業務用分電盤といった、電気の安全性に直結する重要な受配電設備の製造が含まれて、同社の基幹事業を形成しています。

豊富な製品ラインナップの中でも、特に注目されているのがスマートキュービクル。
主にマンションや商業施設など、中規模の電気設備向けに設計されています。
背面扉を無くすことで、屋内外を問わず壁際やコーナーなどの限られたスペースでも設置可能に。
また、トータル250KVA以下の設備容量に対応し、電灯系と動力系の変圧器をコンパクトに収めることができます。

標準色はマンセル5Y7/1で、お客様のニーズに合わせたカスタマイズも可能。
河村電器産業株式会社は、特定の設置環境やデザイン要件に対応する、柔軟性を持った製品を提供しています。

会社名:河村電器産業株式会社
所在地:愛知県瀬戸市暁町3番86
電話番号:0561-86-8111
創業:1919年
URL:https://www.kawamura.co.jp/

株式会社国分電機

株式会社国分電機は、配電盤、制御盤、分電盤などの電気設備の製造、販売および改修工事を主要な事業内容としています。
同社の製品は、電力会社からの高圧受電設備に特化しており、特にキュービクル式高圧受電設備が主力製品といえます。

6.6kVの高圧を受ける設備容量4,000kVA以下の受電設備に適用され、主遮断装置、降圧用の変圧器、配電用の遮断器が金属箱内に収められています。

キュービクル式高圧受電設備は、構造において多様性を持ちます。
例えば、主遮断装置が高圧交流遮断器の場合は「CB形」と呼ばれ、受電設備容量300kVA以下のものでは、ヒューズ付負荷開閉器を用いた「PF・S型」に。

また、屋外・屋内形や、設置スペースに合わせた薄型キュービクル、非常電源を確保する目的の認定キュービクルなどがあり、これらは消防用設備等に供給されることを目的としています。

さらに、中央官庁、自治体施設、医療施設、大学など多岐にわたる施設に同社の製品が納入されているため、信頼性と製品の質は高いといえるでしょう。

会社名:株式会社国分電機
所在地:東京都品川区東五反田2-7-18 SOWA五反田ビル5F
電話番号:03-5449-8585
創業:1946年
URL:https://www.kkd.co.jp/

東和電機工業株式会社

東和電機工業株式会社は、自然と人々の生活を守るバックボーンとして活動する、システムエンジニアリング集団です。
配電盤、制御盤、分電盤など受配電・制御システムメーカーとして、製造から配電制御、計装制御、情報通信に至るまで、お客様の問題解決を目指し、トータル的なエンジニアリングを実現しています。

キュービクルについては、「認定キュービクル」「推奨キュービクル」「標準キュービクル」など幅広い製品がラインナップ。
それぞれ特定の用途や要件に応じた仕様で、お客様のニーズに合わせて提供されます。

同社の製品は、品質と信頼性の高さから、各省庁、自治体施設、大学や病院関連など、幅広い施設で使用されています。

会社名:東和電機工業株式会社
所在地:青森県南津軽郡藤崎町大字榊字和田88番地1
電話番号:0172-69-5111
創業:1965年
URL:https://www.towagp.co.jp/

内外電機株式会社

内外電機株式会社は、電力の供給、分配、監視、および制御に関連する製品を提供する企業です。
大規模ビルの高圧引き込み設備から、工場、オフィス、一般住宅の受配電設備に至るまで、安全かつ高品質な電力供給を支えています。
また、ビルオートメーションシステムから総合監視盤、生産管理システムに至るまで、幅広い制御監視ニーズに応える制御・監視システムも手がけています。

キュービクル製品は「経済形キュービクル」「汎用形キュービクル」「高機能キュービクル」「認定・推奨キュービクル」「K形キュービクル」「マルチパネル高圧盤・低圧盤」といった、幅広い製品がラインナップ。

例として、経済形キュービクルは、受電設備容量300kVA以下の高圧受電設備向けに標準化されています。
また、汎用形キュービクルは、受電設備容量4000kVA以下の高圧受電設備に対応し、小容量から大容量まで幅広くカバー。
設置環境や要望に応じ、多様な機能や性能を付加した製品が魅力となっています。

会社名:内外電機株式会社
所在地:大阪府大阪市中央区本町二丁目5番7号
電話番号:06-4708-3908
創業:1920年
URL:https://naigai-e.co.jp/index.html

株式会社日新電機製作所

株式会社日新電機製作所は、1957年から続く配電盤メーカーです。
設計から板金・塗装、組立までを自社一貫生産で行い、完全オーダーメイドとカスタムメイドに特化したサービスを提供。
現場のニーズに徹底して対応し、お客様の要求を満たす製品を用意しています。

同社の屋外用キュービクルは、電力会社から供給される6600Vの高電圧を変圧器で210/105Vの低圧に下げ、分電盤・制御盤等に送り出す設備としての役割を果たしています。
鋼板製の箱体に変圧器、コンデンサ、遮断器等を組み込み、電気室のような専用スペースが不要で、保安点検が容易であることが特徴です。

屋内用キュービクルにおいても、高品質な製品を提供。
電気室など室内で使用されるキュービクル式高圧受電設備で、屋外用と同様の構成要素を持ち、限られたスペースを有効に使うための工夫が施されています。
屋内用の認定キュービクルの製作も可能で、1000KVA以下の型式認定を取得しています。

会社名:株式会社日新電機製作所
所在地:長野県長野市大豆島芹土277
電話番号:026-221-3535
創業:1957年
URL:https://www.nisshin-e.jp/

日東工業株式会社

日東工業株式会社は、国内外に広がる生産拠点ネットワークを持つ、電気設備の製造に特化した企業です。
生産拠点は国内10拠点と海外3拠点の合計13拠点に及び、人、設備、材料の三要素を効率的に活用しながら、さまざまな製品を提供しています。

同社の主力製品の一つである高圧受電設備キュービクルは、高圧で受電するための機器一式を金属製の箱に収めた設備。
電力会社から供給された電気を、需要家の負荷設備の仕様に合わせた電圧・周波数に変換し、安全かつ安定的に供給することを目的に設置されています。

また、日東工業株式会社の高圧受電設備キュービクルは多岐にわたります。
「一般キュービクル」は、奥行1,600mm以下のものと奥行1,900mmのものがあり、それぞれ小型および中大型変電設備に対応。
また、プラグインキュービクル(アイキュービクル)は、プラグインユニット付ブレーカを搭載し、改修時の停電時間を最小限に抑えることが可能です。

さらに、小型キュービクルや太陽光発電システム連携タイプなど、多様なニーズに対応する製品ラインナップが特徴です。

会社名:日東工業株式会社
所在地:愛知県長久手市蟹原2201番地
電話番号:0561-62-3111
創業:1948年
URL:https://www.nito.co.jp/

日本電機産業株式会社

日本電機産業株式会社は、1942年に大阪府大阪市で創業した電器メーカーであり、長年にわたり制御装置や配電盤の製造に携わってきました。
1950年代に製造・発売されて以来、キュービクル業界のスタンダードを築き上げた企業です。

さまざまなキュービクルを展開しており、以下が一部製品の例となります。

  • 増設に最適な1面タイプのキュービクル「F1」
  • コーナータイプの「MP8」
  • 標準経済型の「K1」
  • 変圧器の組み合わせが自由な経済型「A1」
  • 小形経3面一体構造で搬入が簡単な「ND3」
  • 大容量の変圧器収納が可能な「ND5」

これらの製品は、省スペース設計で設置場所を有効に活用できるのが特徴です。

会社名:日本電機産業株式会社
所在地:大阪府大阪市北区堂島1丁目3番18号
電話番号:06-6341-5331
創業:1942年
URL:https://www.nihondenkisangyo.jp/

キュービクルはメーカーごとに違いはでるのか?

キュービクルは、メーカー間で大きな違いは見られません。
しかし、メーカーごとに内部の配置や細かな規定に違いがあります
例えば、同じトランス容量であっても、キュービクルの本体サイズが2面体や3面体と異なる場合があり、設置する場所のスペースに合わせる必要があるのです。
そのため、設置場所に合った大きさを提供するメーカーを選ばなければいけません。

性能に関しては、どのメーカーも同じレベルの品質を提供していると考えられます。
また、設置費用についてもメーカーによる大きな差はなく、基本的には設置業者がお客様の目的や、設置場所に適したキュービクルを選んでくれます。

キュービクルは設置場所や仕様に合わせて選ぼう

いかがでしたでしょうか?

本記事では、キュービクルを提供する日本の主要11メーカーと、それぞれの製品の特徴や違いについて詳しく紹介しました。
キュービクルは電力配分に欠かせない要素であり、メーカーごとに設計や価格に違いがあります。

本記事を参考に、設置場所や予算、納期に合わせてキュービクルを選んでみてください。

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