太陽光発電の維持費はどのくらい?内訳も解説

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太陽光発電の維持費について、どれくらいかかるのか、その内訳は何か、そしてなぜメンテナンスが必要なのか。
これらは、太陽光発電を検討している方々やすでに導入している方々が抱える共通の疑問です。
そこで本記事では、これらの疑問に対して詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、太陽光発電の維持費に関するさまざまな疑問が解消され、より効率的で経済的な太陽光発電システムの運用が可能になるでしょう。
太陽光発電を最大限に活用し、長期的なエネルギー節約と環境保護への取り組みを始めるための第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

太陽光発電の維持費の目安

太陽光発電の維持費は、設備の種類や規模によって異なりますが、一般的な目安としては、住宅用の場合、年間約3,000円/kW、事業用では年間約5,000円/kWが相場です。
たとえば、4kWの住宅用太陽光発電システムでは、年間約12,000円、10kWの事業用システムでは年間約50,000円の維持費がかかる計算になります。

維持費の主な項目は、定期点検費用、故障や破損時の修理代、清掃費用、パワーコンディショナーの交換費用、固定資産税などです。
定期点検は4年に1回以上が推奨されており、1回あたり約3万円の費用がかかることが一般的です。

参照:資源エネルギー庁

太陽光発電の運用に維持費がかかる理由

太陽光発電の維持費には、さまざまな要因が関わっています。

まず、FIT法により、太陽光発電システムのメンテナンスに努力義務が課せられています。
これは、システムの効率的な運用と長寿命化を保証するためです。

また、定期的なメンテナンスは、故障の予防や発電量の低下を防ぐためにも重要です。
太陽光発電を長期間安定して運用するためには、これらの維持費が不可欠であり、システムの健全性を保つためにも重要な役割を果たしています。

産業用太陽光発電の維持費の内訳

産業用太陽光発電の維持費、その内訳はどのようになっているのでしょうか?

  • 定期点検(メンテナンス費用)
  • スポット点検
  • パワーコンディショナー
  • 清掃費用
  • 固定資産税
  • 保険
  • 土地代

基本的には、以上の7つが維持費の内訳です。
効率的な運用のため、それぞれ確認してください。

定期点検(メンテナンス費用)

一般的に、メンテナンス費用は10万〜20万円/年が相場とされています。

具体的には、パネルの清掃、パワーコンディショナーのチェック、配線の点検などが含まれます。
これらの活動は、システムの性能を維持し、長期的な発電量を確保するために重要です。
また、定期的なメンテナンスは、予期せぬ故障や修理コストの削減にも寄与します。

スポット点検

スポット点検は必要なときのみの実施で構いませんが、1回につきおよそ7~15万円掛かります。
スポット点検では、パネルの損傷、配線の問題、またはパワーコンディショナーの不具合など、特定の問題を特定し、迅速に対処します。
これにより、発電量の低下を防ぎ、システムの寿命を延ばせるでしょう。

スポット点検は、システムの特定の部分に焦点を当て、必要に応じて迅速な修理や調整を行うことで、全体的なメンテナンスコストを抑えるのに役立ちます。

パワーコンディショナー

メンテナンス費用は主に25,000円/年です。
15〜20年ごとの交換が必要になります。
太陽光発電システムの運用とメンテナンス(O&M)コストは、システムのサイズや種類、設置場所の環境条件、システムの年齢などに依存します。
パワーコンディショナーのメンテナンスは、これらの要因の中でもとくに重要であり、定期的な点検と必要に応じた修理や交換が必要です。

清掃費用

産業用太陽光発電の維持費の重要な部分は清掃費用です。
相場はおよそ1万円。
パネル1枚あたり500円〜1,000円が追加されていくのが一般的です。
清掃の頻度や方法は、設置場所の環境や汚れの程度によって異なります。

たとえば、黄砂や花粉、鳥の糞などが多い地域では、より頻繁な清掃が必要になるでしょう。
適切な清掃により、発電効率の低下を防ぎ、長期的な運用におけるコストパフォーマンスを高められます。

固定資産税

産業用太陽光発電の設置には、固定資産税が伴います。
とくに注目すべきは、設備導入後の最初の3年間、固定資産税が3分の2に軽減される特例措置です。
たとえば、5,000万円の設備投資の場合、1年目の税金は約436,800円となります。
この税金は、設備の耐用年数(通常17年)にわたり、年々減少します。
これは、減価償却により資産価値が下がるためです。

長期的な運用を考えると、初期の高い税金は徐々に減少し、投資のリターンが見込めます。
このような税制の理解は、産業用太陽光発電の投資計画において重要です。

保険

産業用太陽光発電の保険は、災害や故障からの保護を目的としています。
動産総合保険の年間保険料の相場は、初期費用の2.5%〜3.5%程度です。
また、その他の保険では、初期費用の0.3〜3%が年間保険料の目安とされています。

太陽光発電所の規模が大きくなるほど、保険料も高くなる傾向があります。
台風や火災、地震などの自然災害による損害は、メーカー保証ではカバーしきれないため、任意保険の検討が重要です。
これにより、長期的な運用と投資の安全を確保できます。

土地代

産業用太陽光発電の維持費における重要な要素の一つが土地代です。
太陽光発電事業用地の賃料(地代)は、土地の状況により異なりますが、一般的には1平方メートルあたり年額200円前後とされています。

自分の土地を所有していない場合は、土地賃料と太陽光発電による利益の差も考慮する必要が出てきます。
比較的安い出費ですが、土地代も太陽光発電事業の経済性を考える上で重要な要素となります。

条件によって発生する追加費用

太陽光発電の導入は、一見シンプルですが、条件によっては予想外の追加費用が発生することも。

  • 高圧受電設備の改造・増設費用
  • 屋根の補強工事にかかる費用
  • 点検やメンテナンス時の足場費用

ここからは、以上の知っておくべき重要なコスト要因について詳しく解説します。

高圧受電設備の改造・増設費用

太陽光発電システムの高圧受電設備の改造や増設には、さまざまな費用が発生します。
増設の場合であれば150〜200万円、容量追加であれば50〜100万円が相場です。
これには、既存の設備のアップグレード、新しい設備の設置、必要な場合は土地の購入やリース費用が含まれます。
たとえば、交流(A/C)送電線と高圧直流(HVDC)送電線の両方に共通するプロジェクトコスト(土地費用、導体費用など)と、作業範囲に応じた独自のコスト(構造費用など)があります。

また、高圧受電設備の拡張を決定する際には、10年以内に高圧構造を検討する場合、高圧機器の基礎を設計・設置することが推奨されています。
これは、後日小規模な基礎の改造を行うよりも、一体型の注入による利点が高いコストを上回るためです。

屋根の補強工事にかかる費用

太陽光発電システムの設置に伴う屋根の補強工事に関する費用は、建物の構造や屋根の状態によって異なります。
一般的には数十万円から数百万円の範囲で、具体的な費用は専門の業者に見積もりを依頼することで確認できるでしょう。
また、屋根の補強だけでなく、太陽光パネルの設置自体にも費用がかかるため、全体のコストを考慮することが重要です。

点検やメンテナンス時の足場費用

太陽光発電システムのメンテナンスにおいて、足場の設置費用は重要な追加コストの一つです。
この足場設置には、太陽光発電システムの規模や設置場所の条件によって費用が異なりますが、およそ10万円前後が相場になっています。

メンテナンスにはさまざまな費用がかかりますが、足場は命に直結する要素です。
屋根や高所に設置されたパネルの点検や清掃の際には、安全な作業環境を確保するためにも、とくに足場が必要といえるでしょう。

太陽光発電でメンテナンスをしないといけない理由

太陽光発電のメンテナンスを軽視することは、長期的に見て経済的損失を招く可能性があります。

  • FIT法に関わるため
  • 故障を防ぐため
  • 発電量の低下を防ぐため
  • 産業用太陽光発電所のメンテナンスの頻度

ここからは、メンテナンスを怠ることのリスクと、定期的なメンテナンスの重要性について、以上4つの観点から解説します。

FIT法に関わるため

太陽光発電のメンテナンスが重要な理由の一つに、日本のFIT(固定価格買取制度)法があります。

この制度は、再生可能エネルギーの利用促進のために2012年に導入されました。
FIT法により、太陽光発電所は一定期間、発電した電力を固定価格で買い取られることが保証されています。
しかし、この制度を利用するためには、太陽光発電所の適切なメンテナンスと維持が必要です。
メンテナンスを怠ると、太陽光パネルの効率が低下し、発電量が減少する可能性があります。
これは、FIT法に基づく収益にも影響を及ぼすため、定期的なメンテナンスは経済的な観点からも重要です。

また、故障や劣化を未然に防ぐことで、長期的な運用の安定性を保てるでしょう。

故障を防ぐため

太陽光発電システムのメンテナンスは、故障を防ぐために不可欠で、年に2〜4回の清掃が推奨されています。
定期的なメンテナンスを怠ると、太陽光発電システムの性能が低下し、最悪の場合は故障につながる可能性があります。
太陽光発電システムのメンテナンスは、長期的な性能と安定した発電量を維持するために、非常に重要な役割を果たします。

発電量の低下を防ぐため

太陽光発電システムのメンテナンスは、発電量の低下を防ぐためにも不可欠です。

一般社団法人日本電機工業会及び一般社団法人太陽光発電協会により改訂された太陽光発電システム保守点検ガイドライン第2版によると、定期的なメンテナンスはシステムの効率を維持し、長期的な性能を保証します。
具体的には、太陽光パネルの清掃や電気接続部の点検が重要です。
また、電気接続部の不具合は発電量の減少や故障の原因となり得ます。

太陽光発電システムの適切なメンテナンスは、長期的な投資収益を最大化し、持続可能なエネルギー源としての機能を維持するために重要です。

産業用太陽光発電所のメンテナンスの頻度

少なくとも年に2回は一般的な点検が必要で、これには、調整、清掃、潤滑、修理、交換、および機器寿命の延長が含まれます。
また、最適な運用とメンテナンスを実践することは、大規模システムのコストを削減し、性能を向上させるのに役立ちます。
FIT法による規制の下では、これらのメンテナンス活動はさらに重要になるでしょう。

太陽光発電の維持費は年間約3〜5,000円/kW

今回は、太陽光発電の維持費について詳しくまとめました。
太陽光発電の運用に必要な維持費の目安から、産業用太陽光発電の具体的な維持費の内訳、さらには追加費用やメンテナンスの重要性についてわかってもらえたかと思います。
とくに、定期点検や清掃費用、固定資産税などの具体的な費用項目に焦点を当て、太陽光発電システムの効果的な運用と長期的な維持について理解が深まったことでしょう。

太陽光発電は、適切なメンテナンスと維持管理することで、その価値を最大限に引き出せます。
太陽光発電投資が長期にわたり安定した成果をもたらすよう、この記事が役立つことを願っています。

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