太陽光PPAのメリット・デメリットを解説|再エネ利用と経費削減に効果的

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PPAモデルは、太陽光発電のステムを設備投資なしで利用できるため「電気代の削減や再エネ利用に取り組みたい」と考えている企業から注目されている仕組みです。
今回の記事では太陽光のPPAのメリット・デメリットや基本的な仕組みについて解説しています。

  • 太陽光発電を検討しているが初期費用の負担が難しい
  • PPAとはどんな樒なっているのか知りたい
  • 太陽光の電気を初期投資ゼロで使いたい
  • PPAのメリット・デメリットを知りたい

このように考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
PPA導入をおすすめする施設と導入は避けたい施設も紹介しているので、導入前に確認しておきましょう。

太陽光発電のPPAとは


太陽光発電のPPA(Power Purchase Agreement)とは、太陽光発電設備の所有者(PPA事業者)と、太陽光発電設備を利用する事業者間で締結する電力購入の契約方式で「PPAモデル」と呼ばれます。通常太陽光発電システムには多額の設備投資が必要ですが、PPAを利用すれば初期費用ゼロで導入できます。

PPA事業者は利用者所有の土地・スペースに太陽光パネルを設置し、利用者はその発電所が生成する電力をPPA事業者から購入する仕組みです。
この仕組みには契約期間が設けられ、契約期間終了後、設備は利用者に譲渡されます。期間中の運営やメンテナンスもPPA事業者が行うため、利用者にかかる費用負担はありません。
使用者は発電された電気の利用料金をPPA事業者に支払うだけで、環境に優しく安価な電気を利用できるため、導入する企業や個人が増えています。

導入方法

PPAモデルの導入は事業者によって異なりますが、一般的には次のステップで行われます。

  • PPA事業者の選定
  • PPA契約内容の取り決め
  • 補助金の確認・申請
  • 設備工事開始
  • 電力利用開始

この中でも特に重要なのが「PPA事業者の選定」です。
PPAモデルの契約内容は事業者ごとに異なるため、契約期間や保守・メンテナンスの内容、契約期間満了後の対応など、複数の業者から見積りを取り比較検討が必要です。
検討している事業者に太陽光発電システムやPPAモデルの実績があれば、見せてもらうのも良いでしょう。

契約期間は、一般的に15〜20年が多く、その間の運用・管理・保守はPPA事業者が行います。
期間中の保守内容や期間終了後のサポート体制など、希望に合った条件で契約できるのか相談しておくと良いでしょう。
とくに「故障時の修理対応」や「契約内容の見直し可否」については契約前にしっかりと話し合っておかなければなりません。
契約期間は長期に渡るため、設備の不具合や企業の経営状況の変化に対しどのような対応になるのか、必ず書面での事前確認が必要です。

PPA事業者によっては蓄電システムを利用できる付加サービスがあったり、補助金が利用できたりするため、各自治体やPPA事業者に確認しておきましょう。

PPAで太陽光発電を導入するメリット


PPAモデルの導入は、費用面・環境面に多くのメリットがあります。
具体的な内容を詳しく見ていきましょう。

初期費用がかからない

太陽光発電システムは、一般的に100万〜1,000万円程度の設備が必要ですが、PPAモデルは設備投資なしで導入できます。
PPA事業者が太陽光発電システムを設置し、発電した電気を利用者が買い取って使用するため、利用者は初期費用を負担する必要がありません。
具体的な金額は契約内容によりますが、基本的にゼロ円で導入できます。

初期費用の負担なく太陽光発電システムを導入できるという点は、PPAモデルの最大のメリットともいえるでしょう。

管理の手間がかからず、維持コストもかからない

メンテナンスや運用コストがかからないのも大きなメリットです。
太陽光発電システムは雨風に弱く、台風や落雷の時期には故障のリスクが伴います。
運用状況によっては設備の改修や増減が必要になる場合も考慮しなければなりません。
年に数回のメンテナンスやパネルの清掃、システムの更新が必要なため維持コストもかかりますが、PPAモデルの場合これらの費用は全てPPA事業社が負担するため利用者は必要ありません。
火災や台風などの災害に備えて保険加入も必要ですが、システムの所有者はPPA事業者なので利用者は不要です。
太陽光発電に対する保険料は年々上がり2023年に5割値上げした保険会社もあります。

自己で保険加入が必要な場合は大きな負担となってしまいますが、PPAモデルではこれらのコストも不要なため、利用者は消費した分の電気料金のみの支払いで済むのです。

太陽光発電の保守管理などの運用を任せられる

PPAモデルでは太陽光発電設備の保守管理など、運用面はPPA事業者が行います。
太陽光発電システムの管理や運用には、費用だけでなく専門知識と経験が必要です。
システムの稼働状況レポートを分析し、発電量を確保するため最適な稼働を目指さなければなりません。
発電量の低下や不具合を早期に発見するため、監視も必要です。システム周囲の建築物や樹木の影響など、環境の変化にも注意を払います。
また、故障や盗難、災害リスクの対策、法的や規制の変更なども考えた運用が必要です。

PPAモデルはこれらの運用を全てPPA事業者が行うため、利用者は管理に割く人員や時間、さまざまなリスクを心配する必要がありません。

電気代の削減

一般的にPPA事業者から買う電力は市場価格よりも安く提供されるため、電気代の削減につながります。15〜20年に渡る長期契約になるため、現時点の市場価格よりも安く提供されるのです。
例えば電力会社の買電価格が20円/kWhであるのに対し、PPAモデルでは17円/kWhと仮定すると、年間100万円近くの節約になります。
2023年7月時点の東京電力の夏季昼間の電気代は26円/kWhです。今後も電気代が上がることを考えると経費削減に大きく貢献できるといえます。

また、太陽光パネルの技術も進化し、効率的に発電できるようになったことも安価な電気価格を提供できるようになった理由の一つです。

CO2削減に貢献

太陽光発電は太陽から直接得られる自然エネルギーを利用します。このため、石炭や石油などによる、二酸化炭素(CO2)や温室効果ガスの排出がほとんどありません。
現在発電に使われている火力発電は化石燃料を使用しているため519〜975gのCO2が排出されますが、太陽光発電は17〜31g程度という調査結果も出ています。
環境問題の観点からCO2排出量削減を目指す企業は年々増えており、企業が環境に配慮した取り組みを行っていることは、CSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも評価され、企業価値の向上にもつながります。

PPAモデルの導入はSDGs達成を掲げる企業にとって有益な対策になるでしょう。

バランスシート(貸借対照表)の改善

PPAモデルの太陽光発電システムは、通常資産計上されないため、事業の財務諸表から切り離せます。
設備の購入や設置にかかる費用を自社の資金ではなく、PPA事業者が負担するため、企業のバランスシートにおける固定資産の増加や負債の増加を抑えられるのです。
また、PPA発電事業者が太陽光発電所の資産を保有するため、利用者は資産を保有する必要がありません。
そのため、利用者は資産の減価償却費や固定資産税などの費用を削減することができます。

また、電気代は基本固定価格なので将来の電力コストが安定し、価格の変動リスクが軽減される効果もあるのです。

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PPAで太陽光発電を導入するデメリット

PPAモデルの導入には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
次に紹介する項目を加味して、導入後に不利益にならないよう慎重に検討する必要があります。

自家消費した電気に対して電気代が発生する

PPAモデルでは、PPA事業者が発電した電力に対し、利用者が料金を支払う仕組みです。
導入した太陽光発電システムの発電量が利用者の消費量よりも多い場合でも支払う必要があるため、自社でシステムを導入したほうが電気料金の削減になる場合があります。
PPAモデルを導入せずに自社で太陽光発電システムを導入した場合、自家消費分に電気代はかかりません。
余剰電力が発生した場合は売電し収益化も可能です。

しかしPPAモデルの場合、どんなに発電量が多くても使用した分の電気代は支払わなければなりません。
どちらの方法で太陽光発電システムを導入したほうが電気代削減効果はあるのかを予測することは難しいですが、PPA事業者を選定する時に複数社にシミュレーションを依頼し、おおよその目安は立てておきましょう。

契約期間が長い

契約期間はPPA事業者によって異なりますが、15〜20年の間で定められていることが多く基本的に解約はできません。
解約や期間の短縮ができる場合でもペナルティ料金が科せられる場合があります。
長い契約期間中に企業の経営状況や~などがあっても、PPAを継続しなければならないリスクが伴います。

設備の所有権はPPA事業者にあるため、利用者都合で設備を撤去したり交換したりすることはできません。
設置場所を変更する場合、移設、再設置などの費用は利用者の負担となる場合が多いので急な契約解除が必要となった場合には、違約金の支払いが必要になるため、契約条件をよく理解し、リスクを最小限にする必要があります。
また、市場の電力価格が下落した場合、PPAの価格の方が割高になる可能性もあります。

事前審査によって契約できない場合がある

PPAモデルの導入にはPPA事業者による事前審査があり、以下のような場合には契約ができない可能性があります。

  • 太陽光発電システムの設置場所が不適切な場合
  • 契約期間中に設備の撤去や解約が必要になる場合が予想される場合
  • その他、PPA事業者の判断によって契約が不適切と判断された場合

太陽光発電システムを設置するには、日照量の確保や安全面などの関係から制約があります。そのため設置予定場所の状況によっては、PPAモデルを導入できない場合があるのです。
PPA事業者は利用者からの電気代に加え、余剰電力を売電することで利益を確保しています。
日照量が確保できない場所に設定しても設備投資分の回収に時間がかかるため、契約しても利益がでないと判断された場合は契約できない可能性があります。

審査基準はPPA業者ごとに異なるので、1社に断られたからといって必ずしも契約できないわけではありません。
まずは複数の業者に相談してみましょう。

施設の構造によっては補強工事など追加の費用が必要

太陽光発電システムの設置場所が、建物の屋根や壁などの構造に対して十分な強度を持っていない場合、補強工事が必要になることがあります。
太陽光パネルを設置する場所が狭い場合は、小型のパネルを用意するために追加のコストが発生する可能性があります。その分追加費用が発生する可能性があります。

また、既設の建築状況によっては電気設備や配線などの改修が必要になる場合があり、これらの費用は利用者負担になる場合があるので、PPA業者に確認が必要です。

PPAの補助金について


PPAは再エネ普及の促進と環境保護を推進するため、政府や自治体が補助金を準備しています。
補助金はPPA事業者が対象のものが大多数ですが、利用者対象の補助金を準備している自治体もあります。
補助金対象になっているPPA事業者を選ぶことで、電気料金が安く提供されたり追加のサポートやサービスがあったり、利用者でも恩恵を受けることが可能です。

PPA事業者が対象の補助金には「利用者に還元すること」が条件になっているものもあるため、補助金を受けている事業者を選ぶことで利用者もお得になります。

担当 補助金名 対象 関連サイト
環境省 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金 地域全体で再エネ・省エネ・蓄エネといった脱炭素製品・技術の新たな需要創出・投資拡大を行い、地域・くらし分野の脱炭素化に取り組む企業 https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/grants/
環境省 ストレージパリティ補助金 民間企業等による、屋根等を活用した自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池の導入 https://www.env.go.jp/press/110821.html
一般社団法人太陽光発電協会 需要家主導による太陽光発電導入加速化補助金 特定の需要家に電気を供給するために新たに太陽光発電設備を設置・所有する者 https://jp-pc-info.jp/r5/

PPAで太陽光発電を導入する場合の注意点

PPAモデルの太陽光発電を利用する際は、予め次の2点を把握しておきましょう。

PPA事業者によって太陽光発電の電力販売価格が異なる

PPA事業者は設備の設置や保守管理に関わるコストを考慮して、電力販売価格を設定します。
使用する太陽光発電システムの設備や地域によって再生可能エネルギーに対する法律や規制が異なるため、PPA事業者は地域のエネルギー政策に応じて電力販売価格を調整する場合もあるからです。

また、PPA事業者の規模や経営状況によって利用者に提供する価格が異なることもあります。

契約終了後に太陽光発電は需要家に無償譲渡される

PPAモデルで導入した太陽光発電システムは、契約期間が満了すると利用者に無償譲渡されます。
設備が不要となり撤去したい場合は、利用者が費用を負担しなければなりません。
PPA事業者によっては契約を延長して引き続きPPAモデルを利用できるところもあるので、契約前に確認しておきましょう。

無償譲渡をメリットと取るかデメリットと取るかはその時の状況次第ですが、譲渡後のメンテナンスや運営費用は利用者負担になることも考慮し、導入するかどうかを決める必要があります。
また、無償譲渡後のメンテナンス費用を見越したシステムを導入することも契約時に相談しておくと良いでしょう。

PPA(太陽光発電の第三者所有モデル)の導入する施設について


ここまでの内容を踏まえて、PPA導入をおすすめする施設と導入は避けたい施設を紹介します。
導入をおすすめする施設は次のような「屋根面積が広く確保できる施設」や「電力需要が大きい施設」です。

  • 大規模なオフィスビルや商業施設:大きな屋根面積を持つ建物は、多くの太陽光パネルを設置できるため、効率的な発電が期待できます。
  • 工場や製造施設:工場や製造施設は多くの電力を消費する傾向がありますが、太陽光発電システムを導入することで電気代を削減し、経費削減につながる可能性があります。
  • 大規模な倉庫や物流施設:広大な敷地を有する倉庫や物流施設では、太陽光パネルを設置して自家発電を行うことで、電力コストの削減が見込めます。

反対にPPA導入を避けた方が良い施設は「屋根の構造が発電に向いていない施設」や「太陽光発電システムによるメリットが少ない」施設です。

  • 高層ビルや建物の屋上が不適切な場合:建物の構造や屋根の強度、日照状況などが太陽光発電の設置に適さない場合は、PPA導入が難しい場合があります。
  • 一時的な利用施設:短期間しか利用されない施設やリース物件の場合、太陽光発電の導入による経済的なメリットを享受することが難しい場合があります。
  • その他、電気料金削減の必要がない施設や環境に配慮する必要がない施設

太陽光PPAは初期費用ゼロで再エネ利用を実現できる

PPAモデルは初期投資なしで再エネを利用できる再生可能エネルギーの普及促進や環境保護を目的とし、電力販売価格を一定期間固定化することで予測可能な収益を得るメリットがあります。
反面、契約期間が長く企業の状況の変化に柔軟に対応できない可能性があるため、導入するか否かは専門家に相談し慎重に判断しましょう。

再エネ普及の促進のため補助金も複数準備されているので、上手く制度を利用すれば企業の電気代の節約効果や、環境面に配慮したCSR活動に積極的な企業として社会的評価が上がります。
PPA事業者を選ぶ際には、太陽光発電の実績やサポート体制、価格などを考慮し、企業の将来にプラスとなる1社を選びましょう。

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