産業用太陽光発電の設置費用は?

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産業用太陽光発電とは、一般住宅以外の場所に設置する太陽光発電のことです。
近年、商業施設や空き地・田んぼ、事業所などさまざまな場所に太陽光発電が設置されるようになりました。
電気代の節約や環境への配慮のため、自社にも太陽光発電設備を設置している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、産業用太陽光発電の設置にかかる費用や、初期費用を抑える方法を紹介します。太陽光発電の設置を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

産業用太陽光発電の設置に必要な資材

産業用太陽光発電の設置に必要な資材は、以下の通りです。

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナ
  • パネルを固定する架台
  • 過過電圧保護装置(OVGR:契約電力50kW以上)
  • 逆潮流防止装置(RPR)
  • 遠隔監視システム(発電量計測機器)

パワーコンディショナとは、太陽電池で発電した電力を、家庭やビルなどで使える電力に変換する機器のことです。
OVGRとは、電力系統に異常が発生した場合に、回路を保護する機器を指します。
RPRとは、逆の方向へ流れる電流を検知し、電力を遮断する機器のことです。

FIT投資用の太陽光発電の場合、フェンスを設置することもあります。

産業用太陽光発電の設置費用

産業用太陽光発電の設置費用は、屋根の上に設置する場合と地上に設置する場合とで異なります。
それぞれの費用の詳細を解説します。

屋根の上に設置する場合

経済産業省の「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」によると、産業用太陽光発電を屋根の上に設置する場合の相場は、以下のようになっています。

項目

費用相場(1kWあたり)

接続費

0.4万円

土地造成費

0.0万円

設計費

0.1万円

工事費

6.9万円

その他の機器

1.7万円

架台

2.3万円

パワーコンディショナ

3.2万円

パネル

8.4万円

その他・値引き

-0.7万円

参考:経済産業省|令和6年度以降の調達価格等に関する意見

設置費用の合計は22.3万円/kWです。
相場費用を踏まえると、容量ごとの設備費用の目安は、以下のようになります。

設置容量

設置費用

20kW

446万円

30kW

669万円

50kW

1,115万円

地上に設置する場合

産業用太陽光発電を地上に設置する場合の費用相場は、以下の通りです。

項目

費用相場(1kWあたり)

接続費

1.8万円

土地造成費

1.5万円

設計費

0.3万円

工事費

7.8万円

その他の機器

1.6万円

架台

3.9万円

パワーコンディショナ

2.9万円

パネル

9.9万円

その他・値引き

-1.7万円

参考:経済産業省|令和6年度以降の調達価格等に関する意見

設置費用の合計は28万円/kWです。
相場費用を踏まえると、容量ごとの設備費用の目安は、以下のようになります。

設置容量

設置費用

20kW

560万円

30kW

840万円

50kW

1,400万円

産業用太陽光発電のランニングコスト

産業用太陽光発電を維持するためにかかる費用(ランニングコスト)には、点検費用や清掃費用などがあります。
太陽光発電を導入する場合は、初期費用だけでなくランニングコストも把握しておきましょう。
ここでは、ランニングコストについて詳細を解説します。

点検費用

太陽光発電設備を適切に運用する・性能を維持するためには、定期的な点検が欠かせません。
点検は努力義務であり強制ではありませんが、安定した発電を維持するためには、導入後1年目、その後は4年に1回の点検が推奨されています。
なお、FIT法の対象、もしくは50kW以上の太陽光発電設備の場合、メンテナンスは義務となるため注意しましょう。

FIT法とは、再生可能エネルギーで発電した電気を国が決めた価格で買い取るよう義務付けた制度のことです。

産業用の場合、点検費用の相場は1~3万円程度かかります。
点検内容による相場の違いは、以下の表を参考にしてください。

点検内容

費用相場

電気的点検

8万円

目視点検

4万円

2,000kW以上の場合は点検を外部に委託できますが、2,000kW未満の場合は、専任の電気主任技術者が必要です。
委託の場合、年間50~100万円程度かかります。

清掃費用

太陽光発電設備は太陽光を取り入れるため、主に屋外に設置されるのが一般的です。
そのため、雨風や土埃により、汚れやゴミが蓄積しやすくなります。
特に、太陽光パネルの表面に汚れがついていると、発電効率が下がる恐れがあるため定期的な清掃も欠かせません。

点検時に掃除を行ってくれる業者もありますが、別途費用が必要な場合や点検時に清掃を行わないところもあります。
また、自身でも掃除は可能ですが、ソーラーパネルの表面を傷つけてしまう・高所の作業となるため転落の危険性があるため、専門業者に依頼するのがおすすめです。

業者に掃除を依頼した場合、費用相場は、基本料金5万円+パネル1枚当たり500~1,000円です。
掃除方法も業者によって手作業のみ・機器を使用する場合など多岐にわたるため、費用も異なります。

システム交換費用

システム交換費用とは、太陽光パネルやパワーコンディショナなどが故障した際にかかる費用を指します。
太陽光パネルの平均寿命は20~30年、パワーコンディショナは10~20年です。
そのため、太陽光パネルの寿命を迎えるまでに、パワーコンディショナの交換、もしくは修理が最低1回は必要です。

パワーコンディショナの修理・交換には、20~40万円かかります。
ただし、パワーコンディショナのメーカー保証が10年あるため、10年以内であれば保証でカバーされる可能性もあります。
また、オプションで保証を延長できる場合もあるため、メーカーに問い合わせて確認すると良いでしょう。

固定資産税

太陽光発電設備を設置する場合、税金がかかることも忘れてはいけません。
以下のいずれかに当てはまる場合、固定資産税が発生します。

  • 10kW以上の産業用太陽光発電を設置している
  • 法人・個人事業主が発電を実施している
  • 屋根とソーラーパネルが一体化されている(取り外しできない)

固定資産税は、以下の式で算出できます。

固定資産税=所有する固定資産の評価額×1.4%

売電によって利益を得た場合、法人税が発生する点にも注意しましょう。

各種保険料

メーカー保証では、製品に不具合があった場合の「製品保証」、太陽光パネルの出力が一定期間、規定値を下回った場合の「出力保証」の2種類に大きくわかれます。
メーカー保証では、災害や事故が発生した場合には対応できないことも多いため、保険への加入を検討するのがおすすめです。
太陽光発電の保険には、以下のようなものがあります。

  • 動産総合保険
  • 施設所有者賠償責任保険
  • 休業損害補償

動産総合保険の場合は、初期費用の2.5~3.5%(年間)、その他の保険は初期費用の0.3~3%が目安です。
保険会社によって保険料は異なるため、見積もりを依頼しましょう。

関連記事:産業用太陽光発電の運用に保険は必須? 理由と災害例

産業用太陽光発電の初期費用を抑える方法

産業用太陽光発電を設置する場合、初期費用がかかります。
ここでは、初期費用を抑える方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

補助金を利用する

産業用太陽光発電の設置する場合、要件を満たせば国や地方自治体の補助金を利用できます。
2024年度に公募される補助金には、以下のようなものがあります。

制度名

 補助対象事業

・補助率

需要家主導太陽光発電導入促進事業(経済産業省)

  • 需要家主導型太陽光発電設備導入支援事業
  • 再エネ電源併設型蓄電池導入支援事業

最大2/3

ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(環境省)

  • (補助)業務用施設・産業用施設・集合住宅・戸建住宅への自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池(車載型蓄電池を含む)の導入支援
  • (委託)ストレージパリティ達成に向けた課題分析・解決手法に係る調査検討

PPAリース:5万円/kW

購入:4万円/kW

新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業(環境省)

  • 駐車場を活用した太陽光発電の導入支援
  • 営農地・ため池・廃棄物処分場を活用した太陽光発電の導入支援
  • 窓・壁などの建材と一体型の太陽光発電設備の導入支援
  • オフサイトから自営線による電力調達を行う取り組みへの導入支援

最大3/5

地域脱炭素推進交付金(環境省)

脱炭素先行地域づくり事業

  • 再エネ設備の整備
  • 自営線、蓄電池などのインフラ整備
  • 省CO2などの設備の導入

重点対策加速化事業

  • 屋根置きなど自家消費型の太陽光発電
  • 地域共生・地域裨益型再エネの立地
  • 業務ビルなどにおける徹底した省エネ・改修時などのZEB化誘導
  • 住宅・建築物の省エネ性能などの向上
  • ゼロカーボン・ドライブ

最大2/3

工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(環境省)

  • CO2削減計画策定支援
  • 省CO2型設備更新支援
  • 企業間連携先進モデル支援
  • 補助事業の運営支援

最大3/4

PPAモデルを検討する

PPAモデルとは、Power Purchase Agreementの略称で、PPA事業者が企業の敷地や屋根などのスペースに太陽光発電設備を無償で設置し、運用・保守を行う仕組みのことです。
PPAモデルでは、PPA事業者に対して使用した電気量の代金のみを支払うため、費用をかけずに電力コストの削減が期待できます。

PPAモデルには契約期間が決まっており、契約期間が終了すると、太陽光発電が所有者に無償譲渡されるケースもあります。

相見積もりをとる

太陽光発電設備の販売業者は多数あり、費用やサービス内容は異なるため、見積もりを依頼し、比較しながら検討するのがおすすめです。
太陽光発電の販売店には、主に以下の4種類があります。

  • ネット販売
  • 量販店
  • 訪問販売
  • 工務店

ネット販売業者は、店舗の維持管理や営業に費用がかからないため、比較的安い傾向にあります。
見積もりを1社のみしか取らなかった場合、価格の相場が把握できず、損してしまう恐れもあるため、さまざまな業者の情報や口コミを調べ、複数社に見積もりを依頼するのがおすすめです。
安いからといって低価格な業者を選んでしまうと、メンテナンスに高額な費用を請求される恐れもあります。
初期費用はもちろん、メンテナンスにかかる費用もしっかり把握しましょう。

また、見積もりや設置に疑問点がある場合は、遠慮せずに質問しましょう。
質問にもしっかりと答えてくれる・見積もりの不明な点を明らかにしてくれる業者であれば、信頼できる会社だと判断できます。
太陽光発電の設置には費用がかかるので、納得できる業者を選べるよう、しっかり調べましょう。

産業用太陽光発電の設備費用を把握し、納得できる業者に依頼しよう

太陽光発電の設置費用は年々安くなる傾向にありますが、産業用太陽光発電を設置する場合、500万円以上はかかります。多くの利益を出したいなら、補助金を利用したりPPAモデルを活用するなどして、初期費用を抑えると良いでしょう。

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