スクリュー杭基礎とは?コンクリート基礎との違いも解説

公開日:
更新日:
お役立ち情報

土地に発電設備を直接設置する野立て太陽光発電を行う際には、地面の基礎工事を行わなければなりません。
従来ではコンクリート基礎が主流でしたが、近年ではスクリュー杭基礎が注目されています。

そこで本記事では、スクリュー杭基礎とはどのような工法なのか? といった概要を、コンクリート基礎との違いとともに解説します。
太陽光発電所の設置を検討しているご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

スクリュー杭基礎とコンクリート基礎の違い

ここでは、スクリュー杭基礎とコンクリート基礎の特徴や違いを詳しく紹介します。

スクリュー杭基礎

スクリュー杭基礎は、大きなねじのようなスクリュー杭を地面に打ち込むことで架台や太陽光パネルを取りつける工法です。

地面の高低差が90cm程度であれば、杭の長さを調節して高さを一定にできるので、スクリュー杭基礎であれば、地面がデコボコしている場合でも基礎を平らにできます。
そのため、整地に時間がかからないことや、コストを抑えられることが特徴として挙げられます。

コンクリート基礎

コンクリート基礎は、型枠にコンクリートを流し込むことで平らな基盤を作り、その上に架台を組み立てる工法です。

基礎がコンクリートになるため、強度や耐久性が高くなるという点が特徴です。
一方で、整地やコンクリートが固まるまでの時間がかかることや、コストが高くなりやすいことがデメリットとして挙げられます。

スクリュー杭施工の種類

スクリュー杭基礎の施工方法には、3つの種類があります。
地盤の強度や条件によって、適した施工方法が異なるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

オーガー打設

オーガー打設とは、アースオーガーなどの機械を使用して、スクリュー杭を回転させながら地面に埋め込む工法のことです。

スクリュー杭基礎において、一般的に使用される施工方法であり、標準的な固さの地盤からやわらかい地盤まで杭を打ち込めます。
ただし、障害物を含んでいる土地や表層に対して、コンクリートやアスファルトが敷いてある場合には施工できないため、注意しましょう。

ラミング工法

ラミング工法とは、専用の打設機を使用して、コンクリートを使わずにスクリュー杭を埋め込む工法のことです。

オーガー打設のように、杭を回転させながら埋め込むことはできませんが、深度の深い地盤に、C型鋼やH鋼などを埋め込めます。

地中に小石が含まれている場合は不向きですが、コンクリートを使わないことから工期の短縮が可能です。

キャストイン工法

キャストイン工法とは、先行掘削で杭よりも少し大きく空けた穴の部分にスクリュー杭を差し込んで、コンクリートを入れて固定する工法のことです。

先行掘削を行う際に、差し込む杭よりもひと回り大きく掘削することで、設置したい箇所にピンポイントで設置できます。
先行掘削の実施やコンクリートの使用が必要であるため、工期やコストがかかることは押さえておきましょう。

野立て太陽光発電に向いている土地

野立て太陽光発電には、向いている土地と向いていない土地があります。
発電効率を高められるように、ご自身が検討している土地に当てはまるかどうかを、ぜひ確認してみてください。

関連記事:スクリュー杭における引き抜き強度試験の概要と試験を実施したい理由

平坦もしくは緩やかな傾斜で地盤がしっかりしている土地

太陽光発電を始める際は、まず土地の整地から行うため、地盤がしっかりしているかどうかは確認しておきたいポイントです。

太陽光発電を行うときは、架台をしっかりと固定できる土地を選ぶことが望ましいです。
傾斜が急すぎる土地や地盤の強度が低い土地では、安全面への懸念から施工できない可能性があります。

そのため、地面が平坦もしくは緩やかな傾斜であることや、地盤がしっかりしていることなどはあらかじめ確認しましょう

影が発生しづらく日差しがよい土地

野立て太陽光発電は、低い地面に対して太陽光パネルを設置する仕組みの発電方法であるため、できるだけ影が発生しない日差しのよい土地がおすすめです。

たとえば、背の高い建物や樹木などが周囲にあると、日光を遮ってしまうため、発電の効率が悪くなります。
また、今は影の原因となる建物や樹木がなかったとしても、将来建築される可能性があるため、今後の建築予定なども確認することをおすすめします。

配電設備が近くにある土地

太陽光発電を検討している土地の周辺に、配電設備があるかどうかも確認しておきましょう。

太陽光発電によって発電した電力を、電力会社に売却しようとお考えの場合は、電柱や電線などの、既存の配電設備があるかどうかは押さえておきたいポイントです。
なぜなら、これらの設備がなければ電力の売却を行う際に、電力システムである電力系統と、電線をつなげる際の費用が高まるおそれがあるためです。

土地の周囲に配電設備がなければ、余分なコストがかさむ可能性があるため注意しましょう。

スクリュー杭基礎が向いている土地

太陽光発電を始めるにあたって、基礎工事の期間やコストが抑えられるスクリュー杭基礎を選択しようとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、スクリュー杭基礎は、どのような場所でも施工できるわけではありません。
スクリュー杭基礎に適している土地には、粘土地盤や高低差のある土地が向いているとされています。

地盤の強度が低い土地でスクリュー杭基礎を行って杭を設置すると、杭が沈んで基礎がデコボコになってしまい、バランスが崩れる可能性が高いです。
一方で地盤が固すぎる場合は、先行掘削を行えば杭を打ち込むことが可能です。

そのため、スクリュー杭基礎を行う場合には、前もって地盤の強度をしっかりと確認しておきましょう。

変形しやすいスクリュー杭の特徴

施工の際に用いるスクリュー杭によっては、基礎工事で打ち込んでいる際に変形することがあります。
地盤の状況や工事の内容によって異なるものの、変形しやすい杭には主に以下の4つの特徴が挙げられます。

変形しやすいスクリュー杭の特徴

  • 杭そのものが薄い
  • 杭に1cm程度の穴が空いている
  • 上部と下部の接続部分の溶接が弱い

また、スクリュー杭を変形させないためには、地盤調査が大切です。
なぜなら、地盤が固い場合も、スクリュー杭が変形する場合があるためです。
事前に地盤調査を行うことで、そもそもスクリュー杭基礎が適しているのかどうかを判断することができます。

スクリュー杭基礎のメリット

スクリュー杭基礎には、主に3つのメリットがあります。
それぞれのメリットを解説します。

メリット①施工費や材料費が安い

スクリュー杭基礎には、施工費や材料費が安価であるというメリットがあります。

国産の場合は少し割高になりますが、中国産の場合は比較的割安で杭を仕入れられます。
1本あたりの値段は、長さにもよるものの2,000~5,000円程度が目安です。
ただし、メーカーから直接仕入れる場合は、より安く入手できることもできるので、国内のメーカーの値段もぜひ確認してみてください。

施工にあたってのコストを比較的安価に抑えられることは、大きなメリットだといえるでしょう。

メリット②施工期間が短い

コンクリート基礎と比べると、施工期間が短いという点もスクリュー杭基礎のメリットです。

コンクリート基礎は、型枠にコンクリートを流し込んだうえで固める必要があるため、コンクリートが固まるまでに一定の時間待つ必要があります。
一方でスクリュー杭基礎は、地盤に杭を埋め込むだけなので短い工期で終えられます。

メリット③土地を整地する費用が抑えられる

スクリュー杭基礎を行う場合は、整地を行うための費用が抑えられるというメリットもあります。

スクリュー杭基礎では、杭の長さを調節して基礎を真っ直ぐにできるので、ある程度地面がデコボコしていても土地そのものを平らに整地する必要がありません。
また、杭を撤去する場合は地面から引き抜くだけなので、撤去費用も抑えられるという点もメリットの1つです。

スクリュー杭基礎のデメリット

さまざまなメリットがあるスクリュー杭基礎には、デメリットもあります。
工事を行ってから後悔しないように、それぞれのデメリットを押さえておきましょう。

デメリット①腐食しやすい

オールスチール製の杭を使用する場合は、腐食しやすいというデメリットがあります。
なぜなら、オールスチール製はさびつきやすいという特徴があるためです。

特に、塩害が起こりやすい沿岸部で使用すると、杭がさびつきやすいため注意が必要です。

さびつきづらい杭を選びたい方は、オールスチール製ではない杭を選びましょう。

デメリット②障害物のある土地には埋め込めない

地中に岩盤や木の根元などの障害物がある場合は、杭を埋め込めません。

もし、障害物があるとわかった場合は、障害物を取り除く必要がありますが、障害物が埋まっている範囲が広い場合は、すべてを取り除けないこともあります。
そのようなときは、杭を埋め込む場所を変える必要があるため、はじめから希望する場所に施工できるとは限らないという点には注意が必要です。

また、地面に障害物がある場合の解決策としてアイオーン工事も挙げられます。
地盤が弱い場合は、杭を入れる地中にコンクリブロック埋めたり、モルタル流し込んだりして、強度を保つ方法も検討してみてください。

デメリット③地盤が弱いと埋め込めない

スクリュー杭基礎は、土地の条件によっては施工できない可能性があります。

地面がぬかるんでいたり砂状のようにさらさらしたりしている土地の場合は、杭を埋め込んだ際の強度が十分にありません。
そのため、杭が定位置からずれてしまうことや、抜けてしまうことが考えられます。

杭を打ち込んでも問題ないかどうかを調べるために、事前に地盤調査を行うことをおすすめします。

こちらの記事では、より詳しくスクリュー杭のメリット・デメリットについて解説しています。
また工事の概要に関する理解も深められますので、合わせてご覧ください。

関連記事:スクリュー杭のメリット・デメリットとスクリュー杭打ち工事の概要

スクリュー杭のことならKUIYAにお任せください!

太陽光発電所の建設や、スクリュー杭の販売であれば、KUIYAにご相談ください。

KUIYAは、太陽光スクリュー杭を取り扱っているメーカーです。
一般的な杭の在庫を常時2,000本以上保持しているため、ご依頼いただければ即納品が可能です。

主に、取り扱っている商品としては「スクリュー杭」「両端フランジ」「可変式スクリュー杭」などが挙げられます。

また、メーカーであるため、スクリュー杭を低価格で提供できます。
たとえば、スクリュー杭であれば、1600mmは1本あたり2,700円、2000mmは1本あたり3,100円で提供が可能です。

「〇〇日までに届くの」などのご質問だけでも大歓迎!
カンタンに見積書も作れます

ご相談&オンライン見積もりはこちら

スクリュー杭基礎とは杭を地面に打ち込んで固定する工法のこと

いかがでしたでしょうか?

スクリュー杭基礎とは、野立て太陽光発電を行う場合に、大きなねじのようなスクリュー杭を地面に埋め込んで固定する工法のことです。
杭の長さを調節して基礎を平らにできるため、地面がデコボコしている場合でも90cmの高低差であれば施工できます。

型枠にコンクリートを流し込んで固めるコンクリート基礎と違い、スクリュー杭基礎は杭を埋め込むのみなので、工期や費用を抑えられます
一方で、材質によっては腐食しやすく、障害物が地中にあると埋め込めないことは、押さえておきましょう。

太陽光発電を始めようとしている土地の条件が合う場合は、ぜひスクリュー杭基礎も検討してみてください。

KUIYAでは、さまざまな商品を取り扱っています。
ご自身の条件に適している架台の種類がわからずにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

取り扱い太陽光架台はこちら>>
取り扱い太陽光資材はこちら>>
取り扱い太陽光フェンスはこちら>>
取り扱い太陽光スクリュー杭こちら>>

ご注文・オンライン見積はこちら