太陽光パネルに使われている素材とは?特徴を解説

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太陽光パネルの素材選びに迷ってはいませんか。
この記事では、太陽光パネルに使用される各種素材の特性と適切な選び方について解説し、シリコン系から量子ドットまでの素材を比較して、各環境や設置条件に最適な選択肢を提供していきます。

太陽光パネルの選択に関する理解が深まり、より適切な決定を行うための基礎知識が得られるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。

太陽光発電におけるパネルに使われている主な素材

太陽光発電では、パネルの素材が重要な役割を果たします。

  • シリコン系
  • 化合物系
  • 有機系
  • 量子ドット

ここからは、以上の素材がどのように太陽の光を電力に変換するかについて詳しく解説していきます。

シリコン系

太陽光パネルの主要素材として、シリコン系が広く使用されています。
この素材は、高い効率性、低コスト、そして長寿命で知られており、25年以上の使用が期待されています。
とくに、シリコン製のソーラーセルは、その寿命を超えた後も、元の電力の80%以上を維持できるからです。

市場に出回っているパネルの多くは、単結晶、多結晶、または薄膜(アモルファス)シリコンで作られており、これらは太陽光パネルの製造において重要な役割を果たしています。
また、結晶シリコンPVセルは、2011年の世界のPVセル市場の85%以上を占めており、単結晶セルでは25%以上、多結晶セルでは20%以上の実験室でのエネルギー変換効率を達成しています。

化合物系

太陽光パネルでは、化合物系素材が注目されています。
これには、CIS(銅インジウムセレン)、CIGS(銅インジウムガリウムセレン)、CdTe(カドミウムテルル)などが含まれます。
とくにCISやCIGSは、高い発電効率と安定性で知られ、日本のメーカーも積極的に生産しています。

化合物系素材の最大の特徴は、その柔軟性と軽量性です。
これにより、従来の硬いシリコンパネルでは難しかった場所への設置が可能になります。
また、曇りの日でも比較的高い発電効率を保てるため、多様な気候条件下での利用が期待されています。

しかし、これらの素材はまだ高価であり、生産コストの削減が今後の課題です。
太陽光発電の未来を担う化合物系素材には、今後も目が離せません。

有機系

太陽光発電におけるパネルに使われている主な素材の一つとして「有機系」があります。
有機太陽電池は、シリコンではなく、炭素ベースの材料と有機エレクトロニクスを半導体として使用しているのです。
これらの有機セルは、プラスチック太陽電池やポリマー太陽電池とも呼ばれています。

従来の結晶シリコン太陽電池と異なり、有機太陽電池はポリマーや小分子セルを使用し、非常に軽量で柔軟性があり、薄いフィルムの太陽電池を作ることが可能です。
この技術は、地球上の豊富な資源を使用し、低エネルギー生産で太陽光発電を実現することを目指しています。
また、理論上、初代および二代目の太陽光発電技術よりも低コストで電力を供給する可能性があります。

量子ドット

量子ドットを使用した太陽光パネルは、太陽光発電の分野で注目されている革新的な技術です。
量子ドットは直径約10nmの微細な結晶で、3次元的に囲まれた構造を持ちます。

この技術の最大の特徴は、従来の太陽電池では吸収できなかった波長の光や高エネルギーの光を効率的に利用できる点です。
理論上の変換効率は75%に達し、これは他の太陽電池と比較して非常に高い数値です。
量子ドット太陽電池は、量子サイズ効果や量子効果を活用して、変換効率を高められます。
これにより、太陽光のエネルギーをより多く電気エネルギーに変換できるのです。

この技術は「第三世代太陽電池」とも呼ばれ、未来の太陽光発電を大きく変える可能性を秘めています。
量子ドット太陽電池の開発はまだ進行中であり、今後のさらなる研究と技術革新によって、太陽光発電の効率と普及は大きく進むことが期待されます。

パネルの素材の種類による違いとは?

太陽光パネルの素材には、それぞれ異なる特徴があります。
それぞれ見ていきましょう。

素材の種類 特徴 適用例
単結晶シリコン 高効率 効率を最優先する場合
多結晶シリコン コスト効率が良い コストを重視する場合
薄膜型(量子ドット含む) 非標準的な屋根形状に適応 特殊な屋根形状の建物
化合物系 耐久性や環境適応性に優れる 特定の環境条件下での使用
有機系 柔軟性が高く軽量 特定の用途に適応

太陽光発電の素材選びのポイント

太陽光パネルを選ぶ際には「発電効率」「耐久性」「製造元の品質」といった基準を総合的に考慮し、設置環境やニーズに最適な素材を選択することが重要です。
パネルの発電効率は太陽光を電力に変換する効率を、耐久性は長期間にわたる性能維持を反映しています。
選択肢にはシリコン系、化合物系、有機系、量子ドットなどがあり、それぞれ特徴と適用シーンが異なります。

これらの特性を理解し、自分の状況に合ったパネルを選ぶことが、最適な太陽光パネル選択の鍵となるでしょう。

【設置場所別】太陽光パネルの選び方

ここからは、住宅から大規模施設まで、場所に応じた最適なパネル選定の方法を紹介します。

  • 住宅など狭い場所に設置する場合
  • 大規模な面積に設置する場合
  • 荷重が気になる建物に設置する場合
  • 暑い地域に設置する場合
  • 雪国に設置する場合
  • 海に近い場所に設置する場合

地域の気候や環境に合わせた選択で、太陽光発電の効率を最大限に引き出しましょう。

住宅など狭い場所に設置する場合

住宅など狭い場所に太陽光パネルを設置する際は、パネルの種類と設置方法が重要です。
たとえば、実際の発電量は設置する地域や天候、方角、周囲の状況によって異なります。
南向きの屋根や狭いスペースでも、専門家のアドバイスにより最適な設置が可能です。

また、発電効率が高く、長期保証のあるメーカーを選ぶことが推奨されています。
これらの情報をもとに、住宅用の太陽光パネル選びでは、発電効率、保証期間、設置条件を考慮し、太陽光パネルの設置や運用に関する専門知識を持つ人々の意見を参考にすることが重要です。

大規模な面積に設置する場合

大規模な面積に設置する場合は、長期間にわたる運用を考慮して、耐久性と信頼性の高いパネルを選ぶことが重要です。
メーカーの信頼性や保証期間も選定基準のひとつでしょう。
また、大規模な分、メンテナンスの容易さや、メーカーからの技術サポートの可用性も重要な選定基準です。

当然ですが、利用可能なスペースに最適なパネルのサイズや形状を選び、設置計画を効率的に立てることも重要になってきます。
他に考慮する事項としては、発電効率の高いパネルの選定や、高湿度や台風などの気候条件に耐えうる素材や設計のパネル選定などが挙げられます。

荷重が気になる建物に設置する場合

太陽光パネルを荷重が気になる建物に設置する際、軽量で効率的なパネル選びが重要です。
たとえば、現代の太陽光技術は大幅に進歩し、軽量なソーラーパネルが利用可能になっています。
これらのパネルは、屋根の負担を最小限に抑えつつ、自然光を最大限に活用できます。

また、建物統合型光発電(BIPV)は、建物の構造部分として機能すると同時に、太陽光発電ができる革新的なソリューションです。
これらのオプションを検討することで、建物の安全性を損なうことなく、エネルギー効率の高い太陽光パネルを選択できます。

暑い地域に設置する場合

暑い地域に太陽光パネルを設置する際の重要なポイントは、高温に強いパネルを選ぶことです。

一般的な太陽光パネルの最適な動作温度範囲は約15℃から35℃であり、この範囲を超えるとパネルの効率が低下する可能性があります。
そのため、設置を予定している地域の平均気温と太陽光パネルの動作温度範囲を確認しましょう。
暑い地域では、温度係数が低いパネルを選ぶことを推奨します。

雪国に設置する場合

雪国での太陽光パネル選びは、とくに注意が必要です。

寒冷地では、太陽光パネルの効率は向上する傾向がありますが、雪の積もり方によっては発電効率が低下する可能性もあります。
雪国での太陽光パネル設置の際は、以下の点に注意しましょう。

  • 耐雪性能の高いパネルの選択:重い雪に耐える強度が必要です。
  • 適切な角度での設置:雪の滑り落ちやすさを考慮することが重要です。
  • メンテナンスの容易さ:雪の除去や清掃がしやすい設計を選びましょう。

これらの点を考慮することで、雪国でも効率的に太陽光発電を行うことが可能です。

海に近い場所に設置する場合

海に近い場所に太陽光パネルを設置する際は、耐塩性と冷却効果を考慮したパネル選びが重要です。
海岸近くではサビや劣化のリスクが高まりますが、日光が遮られることは少ないため、発電効率は高くなっています。

また、神奈川大学の由井教授による研究では、海水による冷却効果でパネルの発電効率を高く保つことが可能とされています。

太陽光パネルのための最適な素材選び

今回は、太陽光パネルに使われているさまざまな素材とその特徴について詳しく解説しました。
太陽光パネルには、シリコン系から化合物系、有機系、さらには最先端の量子ドットまで、さまざまな素材が使用されています。
太陽光パネルの素材を選定する際は、本記事が提供する情報を参照し、各企業の状況に適した選択を行うことをおすすめします。

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