【産業用太陽光発電】メンテナンス費用の最新相場を紹介

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太陽光発電所を運用、または導入を検討している方は、「メンテナンスをする必要あるの?」「費用はどれくらいかかる?」「自分でできるのか?」など、メンテナンスについて多くの疑問をお持ちではないでしょうか?
産業用太陽光発電を運用するのにメンテナンスは必須です。
2017年の改正FIT法によりメンテナンスは義務化されているため、個人や企業にかかわらず、設備を定期点検しなければなりません。

ここでは、具体的なメンテナンス費用の内容と相場について解説していきます。

産業用太陽光発電のメンテナンスが必要な理由


太陽光発電のメンテナンスは、50kW未満の非FITの太陽光発電所を除き、すべての太陽光発電所において義務化されています。

主に下記3つの理由からメンテナンスを行う必要があります。定期的に点検を行わない場合は、改善命令、最悪はFIT認定取り消しの対象となると定められています。

①故障を防ぐため

太陽光パネルは、台風や強風・積雪などの自然災害や、鳥のフンや落ち葉などの汚れも破損原因になります。
定期的に点検、メンテナンスすることによって、太陽光パネルの損傷や故障に早期に気づくことが出来ます。
故障や損傷の発見が遅いほど費用が高くつく可能性が高くなります。

機器の故障や異常を早期に検知し、修理や交換を行うことで、システムの安定性と信頼性を確保します。

②発電効率を維持するため

メンテナンスはシステムの効率を最大化するために重要です。
長く稼働をし続けると、モジュールが劣化してしまい性能が低下してしまう可能性があります。
太陽光パネルの汚れによってできた影でも発電効率が落ちます。

また、太陽光パネルに問題が無くてもパワーコンディショナーに繋がるケーブルなどの破損により、発電効率が落ちることもあります。

本来の発電量を得るためにも、普段から定期的なメンテナンスをして、早期対処することが大切です。
定期的な清掃や点検により、パネルの表面をきれいに保ち、最大の太陽光の受光と電力発生を確保します。

③トラブル・事故防止のため

ソーラーパネルの汚れもトラブルの原因となります。汚れが付着している部分に太陽が当たらず、長期間発電できない状況が続くことで発熱し、セルが壊れて発電不能に陥ることがあります。
最悪の場合は火災の原因にもなります。

また、固定部のゆるみや劣化でパネルが強風で飛ばされたり、落下物によりケガ人を出してしまう恐れもあります。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます。

産業用太陽光発電のメンテナンス・維持費用の相場と内訳

太陽光発電はどのような方法でメンテナンスをするのでしょうか。
また、メンテナンスにどれくらいのコストがかかるのかわからない、という方も少なくないでしょう。

ここでは、太陽光発電のメンテナンスや費用と内訳について詳しく解説していきます。

定期点検 1回あたり3万円程度
メンテナンス・清掃 基本料金1万円前後、パネル1枚あたり500円〜1,000円
保険料 初期費用の2.5%〜3.5%(動産総合保険)

初期費用の0.3%〜3.0%(その他保険)

固定資産税 法律で定められたその設備の「法定耐用年数」と「減価率」で求める
システム交換 パワーコンディショナー:20万円

太陽光パネルパネル1枚あたり10万〜15万円

①定期点検

太陽光発電所は住宅用・産業用に関わらず、3〜4年に一度以上の定期点検を行う努力義務があります。
パネルや架台、パワーコンディショナー、配線、ブレーカー、電力量計といったすべての機器、及び設備の不具合を点検します。

定期点検は1回あたり3万円程度の費用が相場です。
平均すると1年あたり7.000〜8,000円の維持費がかかることになります。
無料で定期点検を行っている施工会社もあるので、施工会社選びも大きなポイントとなります。太

陽光発電の点検作業の内容については、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)によってガイドラインが定められています。

②メンテナンス・清掃

パネルの表面には汚れや塵、鳥の糞などが付着することがあります。
定期的な清掃によって、パネルの効率を最大化し、発電量の低下を防ぎます。

太陽光パネルの清掃は年に2〜3回行うことが推奨されており、一般的に基本料金+パネル1枚ごとの価格に設定されています。
基本料金1万円前後、パネル1枚あたり500円〜1,000円が相場です。
50kWの規模の産業用太陽光発電であれば、1回あたり5万円程度の費用がかかることになるでしょう。

除草作業も同じく、年に2〜3回行うことが推奨されています。
1m²あたり50円〜150円というのが相場で、1回あたり5万円程度の費用がかかります。

メンテナンスの頻度と内容は、システムの要件、メーカーのガイドライン、地域の要件に基づいて決定されます。
専門のメンテナンス業者やエンジニアの協力を得ながら、システムを最適な状態で維持することが重要です。

③保険料

近年は気候変動の関係で、台風や集中豪雨など大きな災害も多くなり、想定していなかったような自然災害も増えています。
しかし、メーカー保証は一般的に自然災害を補償の対象に含めません。

太陽光発電設備に付けられる保険としては一般的なものが、自然災害や故障による損害をカバーする「火災保険・動産総合保険」、所有している太陽光発電設備が他人や他人のものに与えた損害を対象とする「賠償責任保険」、発電が停止した際に失われた売電収入を対象とする「休業補償保険」、出力抑制により売電が行えなくなった際の損害を保証する「出力抑制保険」です。

保険料は都道府県などによって、保険料が大きく異なります。動産総合保険の年間保険料の相場は、初期費用の2.5%〜3.5%といわれています。
その他の保険は初期費用の0.3%〜3.0%が年間保険料の目安とされます。
自社の発電所にはどんなプランが最適なのか調査する必要があります。

具体的な保険料を確定するためには、保険会社との相談や見積もりを取ることが重要です。
また、地域の法的規制や契約条件に従う必要もあるため、それらも考慮に入れる必要があります。

④固定資産税

10kW以上の太陽光発電設備は固定資産税の課税対象となります。
太陽光発電設備は「償却資産」となり、償却資産の固定資産税の計算は、法律で定められたその設備の「法定耐用年数」と「減価率」で求められます。

太陽光発電設備の法定耐用年数は17年、評価額は、1年目は「導入費用×(1-0.064)」、2年目以降は「前の年の評価額×(1-0.127)」と計算します。
固定資産税は、「求めた評価額×0.014」で求められます。

毎年資産の評価額が下がっていくので、固定資産税額も少なくなっていきます。
償却資産の評価額が150万円以下になると、固定資産税は非課税となります。

<例>
太陽光発電を500万円で導入した場合の固定資産税額は以下のようになります。

  • 初年度の評価額 500万円×(1-0.064)=468万円
  • 初年度の固定資産税額 468万円×0.014=6万5,520円
  • 2年目の評価額 468万円×(1-0.127)=408万5,640円
  • 2年目の固定資産税額 408万5,640円×0.014=5万7,198円

⑤システム交換

メンテナンス中に部品の故障が見つかった場合、修理や交換が必要になることがあります。
中でも修理が必要になることが多いのは以下の部品です。

パワーコンディショナー

一般的に、パワーコンディショナーの耐用年数は10〜15年だと言われています。
パワーコンディショナーは直流電力を交流電力に変換するための精密機器です。

設置場所の条件によっても寿命が変わってきますが、設置後10年程度で半導体、フィルター、コンデンサーなどが劣化する可能性があります。
部品を交換する場合の価格の目安は20万円とされています。

太陽光パネル

太陽光パネルの寿命は国税庁が定めた法定耐用年数は17年となっていますが、実際には20年、しっかりとメンテナンスしておけば30年以上使用できると言われています。
交換する場合の価格の目安はパネル1枚あたり10万〜15万円とされています。

その他、配線の劣化や売電メーターなどを必要に応じて修理または交換します。
メーカー保証期間内の場合は、修理や交換をすることがあってもお金がかかることは滅多にありません。

産業用太陽光発電のメンテナンスのパターン


産業用太陽光発電のメンテナンスの主なパターンは以下の3つになります。

➀施工業者のみに依頼できる

太陽光発電の販売・施工業者の中には、売買契約と合わせて施工後のメンテナンス契約を必須とする業者があります。
土地付き産業用太陽光発電では、販売、施工会社が一括してメンテナンスや維持管理を行なうパターンも多くあります。
本来は販売と施行が本業であるため、緊急時に迅速な対応ができない可能性があります。

②施工業者と他社のどちらにも依頼できる

メンテナンスを太陽光発電設備の販売、施工業者に依頼するか、他の業者に依頼するかを施主が選べるパターンです。
販売、施工元に依頼すれば業者を探す手間が省けますし、太陽光発電設備を施工した工事店が一番詳しいという考え方もできます。
反対に他社ならば、第3者からの視点だからこそ指摘できることもあります。

③他社のみに依頼できる

販売、施工会社でメンテナンス業務を行なっていない場合は、メンテナンス会社に別途依頼する必要があります。
メンテナンス会社を複数者比較し相見積もりをすることで、相場感を把握できます。
販売、施工元とメンテナンス業者を別に依頼することで、それぞれ専門的な知識で対応してもらえることがメリットと言えます。

自社でできるメンテナンス・できないメンテナンス

太陽光発電はトラブルに気付かずにそのまま使用していると、発電率の低下による売電収入の減少という事態を招き、さらには故障や火災に繋がるケースもあります。
メンテナンスには、自分で行えるものと、専門業者に依頼する必要があるものがあります。
また、50kW以上の発電設備は、電気事業法に基づいた保守点検(O&M)に努めなくてはなりません。

自社でできるもの

セルフメンテナンスは、主に目視による日常点検です。太陽光発電機器を目視でチェックし、トラブルがあれば販売店へ連絡するようにしましょう。

➀日常点検

日常点検の目的は、システムの異常および不具合を早期発見し、安全を確保すると共に、故障などを未然に防止することです。太陽光発電設備保守点検ガイドラインによると、日常点検の周期は毎月 1 回程度に加え、地震、台風、洪水、大雨・強風・大雪などの悪天候及び火災、落雷などの後とされています。

日常的に目視点検したい主な項目

パネルや機器の外観を確認し、物理的な損傷や異常がないかをチェックします。
パワーコンディショナー本体の汚れ、フィルターの目詰まり、ヒビ、亀裂、変色、鳥の糞、異音や異臭などがある場合は、適切な措置を取る必要があります。

モジュールは、はしごや足場を使って汚れや破損がないかを目視で確認します。
発電量やエラーメッセージ、ケーブルの破損など、目視で確認できる日常点検をすることにより、重大なトラブルを防ぐことができます

②雑草の管理

野立ての太陽光発電所では雑草対策が重要です。
草刈りでの除草作業では、刈払い機での怪我はもちろん、飛び石によるモジュールや架台の損傷、ケーブルの切断など十分な注意が必要です。

自社でできないもの

電気系統や太陽光パネルのセルフメンテナンスを自社で行なうのは、事故や故障のリスクもあるため専門業者に任せましょう。

➀ソーラーパネルの洗浄

太陽光パネルは専門性の高い製品です。
パネルの洗浄は、水道水ではカルキや水垢が残ってしまい悪影響を及ぼす可能性があります。

また、太陽光パネルの表面のガラスを傷つけてしまうと、発電量や発電効率が落ちます。
同時にパネル寿命を縮めたり、故障の原因となる可能性があります。

②電気系統の確認

ソーラーパネルやパワーコンディショナー、配線の不具合を専用機器を使用して異常が無いか、正常に発電出来ているか等を確認します。

産業用太陽光発電でよくある不具合


太陽光発電システムは精密機器のため、故障によるトラブルは少なくありません。
様々な要因によってトラブルが発生します。

下記に一般的な不具合のいくつかを挙げます。

➀経年劣化

太陽光発電システムは長く使えると言われていますが、時間経過とともに劣化し、発電量も低下していきます。
太陽光パネルは外部環境にさらされるため、劣化による故障が起こることがあります。

②クラスタ断線

太陽光パネルをある程度の枚数組み合わせた「クラスタ」の内部で断線が起きると発電量の低下原因となります。
例えば1つのクラスタ内の2番目のパネルの配線が切れると、2番目のパネルからの電力は途絶え、そのクラスタ内の残りのパネルとインバーターに送られる電力が減少します。
これにより、全体の発電量が低下します。

③ボルトのゆるみ

ボルトのゆるみは、震動や振動、熱膨張・収縮、時間の経過などによって発生することがあります。
固定金具や架台のボルトがゆるみ、パネルが飛散する事例が発生しています。ボルトのゆるみは重大な事故に繋がる可能性もあります。

④配線のたわみ

不要な配線のたるみは、風などで接続部に負荷がかかり劣化を早めます。また、動物などが通って配線に引っ掛かると断線などの原因にもなります。

⑤接地線の不備

接地線(アース)が無かったり、正しく施工されていないといった接地に関する不具合が意外に多くあります。
接地線の接続が不十分な場合、適切な接地が確保されずシステムの安全性が損なわれます。
また、接地線が金属部品や機器との接触が不良な状態になると、正確な接地が行われず、電気的な問題が発生する可能性があります。

メンテナンス費用は適切な定期点検と保守で最小限に

今回は太陽光発電のメンテナンスの必要性と維持費用について解説しました。

太陽光発電は雨風にさらされている電子機器なので、定期的にメンテナンスをする必要があります。地域の環境や機器によっても異なりますが、3〜4年に1回を目安に専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
また、メンテナンスには、足場代や部品の修理費用などがかかることもありますので予算に余裕を持たせ、万が一の場合は保障や火災保険なども活用しながら費用を抑えたメンテナンスをしていくことが大切です。

日頃のちょっとしたメンテナンスや目視点検で大きな故障などを未然に防ぐことが出来ます。
発電効率を落とさないためにも、定期的に掃除を行ってゴミを取り除きましょう。
産業用太陽光発電の導入、または運用を検討する際の判断材料のひとつとして、ぜひ役立ててください。

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